ナチュログ管理画面 フライフィッシング  フライフィッシング 関東 アウトドア&フィッシングナチュラムアウトドア用品お買い得情報

2020年07月08日

岩手陸前高田釣行

今年は春先からコロナ禍で外出できない日が続いた。今もまだコロナ禍は続き、東京は日本のばい菌になりつつある。そんな東京人は今年は車で行くことを止めた。車にはナンバーがある。災害よりも怖い人間というものを恐れて、ひっそりと新幹線で花巻まで行った。若干の後ろめたさはあったが、新花巻駅で琥珀さんに会うとホッとした。いささかお忍び感のある釣り旅である。
岩手陸前高田釣行


目的地は陸前高田。1980年代に訪れた時は素朴で温かい三陸の街だった。東日本大震災の年に「面影画」を描いているkurooさんの応援に来たときは、山から街を望む場所に出た途端に息をのんだ。街が跡形もなく消え去り、そこにあったのは灰黒い瓦礫の山。津波の凄さと恐ろしさに身が震えた。その陸前高田に注ぐ名渓の気仙川が今回の釣り場である。9年も経つと人は再び笑顔を取り戻すが、人の住まない広い復興地が何となく空しい。
岩手陸前高田釣行


かつて琥珀さんが高田に住んでいた時代の釣りの師匠宅の前に車を止め、琥珀さんは本流でウェットフライの釣りをするというので、私はK沢に入った。比較的落差の少ない渓だった。さすがに7月に入ってからの初釣りは過去にはない。コロナ太りで身体も鈍っていて、何度か転びそうになる。毛鉤を水面に落とすとチビ山女魚が反応した。ポイントごとに反応するのはチビ山女魚ばかりだった。
岩手陸前高田釣行


いやはや数百m遡行するあいだに、チビ山女魚の反応は数十回。たまに鉤掛かりすることもあるが、あまり掛けてダメージを与えたくないので、合わせないことにした。こういう場合は一投目の一発勝負で良型を掛けないとダメだ。チビ山女魚が少なければ手前のチビを払ってから本命ポイントに落とすのだが、本命ポイントでもチビが出てくるので、途中からこの本命一発勝負に切り替えた。
岩手陸前高田釣行


そのうち何とかカンとか20㎝程の山女魚が出てくれるようになった。これくらいのサイズでないと釣ったとは言えない。途中右からKK沢が落ちてくる。すぐ上に沢の滝があり、その滝つぼに毛鉤を投じると一回だけ「ボコっ」とライズがあったが鈎掛かりせず。それからは音沙汰なし。失敗である。もっと慎重にすべきだったと反省。本流の沢に戻り、少し上流で脱渓。トコトコと川沿いの道を気仙川本流に下りて行った。
岩手陸前高田釣行


本流では琥珀さんがウェットフライの釣りを楽しんでいた。合流して、盛岡毛鉤で釣ることにした。硬硬調の餌竿に仕掛けを取り付ける。枝鉤が数本、最後の鉤の上に白いウキがある。これで扇を川面に広げるようにして釣る。チビ山女魚が数尾と15㎝程の山女魚が掛かった。この釣りはどちらかというと「漁」である。良型がかかるとゴツンと引き込まれる。マルチで掛かることもある。しかし、岩手県以外ではほとんど複数毛鉤は禁じられているので、ここでしかできない釣りである。
岩手陸前高田釣行


陸前高田の嵩上げ地に立つホテルに宿泊した。海岸を隠した巨大堤防だが、こうして広角で見ると、何百億円何千億円かけて大きな堤防を作っても地球の地学的な変動には役に立ちそうにない。逃げる時間をプラス10分確保する設備としての役割しかなさそうである。それでも復興エリアには店舗も増えている。高田で最も大きなスーパーマイヤの前にある鶴亀鮨で夕食を取った。
岩手陸前高田釣行


大将はkurooさんの面影画で唯一、震災で亡くなられていないのに描かれたお方である。私は生き神様だと思った。三陸の男らしく、あまりしゃべらないがニコニコして話を聞き、それでいて男気を感じさせる。さんざん酔仙をいただいた後、タクシーを頼んだら、後継ぎ息子のしんちゃんが「タクシーが来ました」という。そとに出てみるとタクシーはいない。ふと横の路地に目を向けると、大将の軽自動車がエンジンをかけて止まっていた。なんと大将自らが車でホテルまで送って下さったのである。いやはや、感謝感謝。ぐっすり朝まで深く眠った。
岩手陸前高田釣行


翌日は高田の街で気仙川に注ぐ矢作川で釣りをした。鮎釣り師が数十mおきに居る。その間で釣りをするが、なかなかヤマメは反応しない。少し遡行するとすぐに鮎師がいる。この辺りは日本でも最も古い地質のエリアで、矢作川途中には一枚岩の山もあった。その一枚岩をトンネルが貫いている。なかなかの風景である。
岩手陸前高田釣行


そこそこ満足したので、脱渓した。高田の町はずれのラーメン店でラーメンを食べた。物価が安い。ワンコインでラーメンが食える。楽しい2日間もあっという間に終わった。琥珀さんに水沢江刺まで車で送っていただいた。 帰りの新幹線は行きの「はやぶさ」とは違う「やまびこ」なのでほぼ各駅停車。それでも乗車率20%以下なのでゆったりとしていて楽ちん帰途につけた。

長い距離と時間を運転し、案内してくれた琥珀さんには深く感謝である。

釣行日 2020年7月4日~5日



同じカテゴリー(渓流釣り)の記事画像
朝日山系初めての沢
置賜の渓流にて
コロナ禍で2年ぶりの山形
2019年最後の釣り
PLAさんと今年二度目の釣行
雨に降られて山形路
同じカテゴリー(渓流釣り)の記事
 朝日山系初めての沢 (2021-07-18 22:27)
 置賜の渓流にて (2021-07-18 16:42)
 コロナ禍で2年ぶりの山形 (2021-07-18 13:59)
 2019年最後の釣り (2019-09-07 23:00)
 PLAさんと今年二度目の釣行 (2019-09-06 23:00)
 雨に降られて山形路 (2019-08-24 10:37)

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
岩手陸前高田釣行
    コメント(0)