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2000年01月19日

山男魚 「鶴見川からモントレーへ 18」

95/10/30 21:52

「鶴見川からモントレ-へ」 釣りによって出会った情景と人々 その18

第十八章 「サ-モン釣り & ぐうたら釣り」


その後、Montereyには何回となく行った。六月から七月のシ-ズンはサ-モン(キング)釣りに出掛けた。サ-モンはイワシをエサにして釣る所謂ム-チング釣りで20から30ポンド(10-15Kg) のものが良く釣れると聞いていた。

 サ-モンのリミットは、一日ひとり二匹、一船十五匹である。案内所にはサ-モンを釣り上げて、手にぶらさげている写真が一杯かざってある。キングはこの季節、ベ-リング海からカナダ沿岸、サンフランシスコ沖を通ってここに回遊してくる。

 KuroS さんと一緒にでかけた時のこと。朝はやくから何時間もがんばって、KuroS さんがやっと、掛けた、竿が弓なりになった、かなりの大物らしい。一生懸命リ-ルを巻き上げ、かなり船縁まで近づいてきた瞬間、締めていたドラッグをものともせず、リ-ルが逆転しラインが飛ぶ様に出でゆく。

「何だ、なんだ、どうなったんだ、なにがおきているんだ」

「わぁぁ、怪物だ、怪物がでたぞぅぅ」

 船頭も飛んできて応援するが、どうにもならない。すると、沖目の方で黒茶色の怪物が身体をくねらせる。

「くそっ、正体はあいつか! 」

 シ-ライオン (あざらし) が掛けたサ-モンを横取りしたのだ。やっとの思いでかけたのに、KuroS さんは本当に悔しそうな顔をしていた。

船頭に聞いてみると、こう言うこと良くあることで、シ-ライオンはこれが目当てで、出航のときから船のあとを追いかけて来るそうである。

その後、何回も出掛け、朝早くから夕方まで、船酔いに耐え、竿を振り回して頑張ったけど、不幸にも僕は一匹も釣ることができなかった。今だに残念で仕方がない。いずれか機会があったら再度挑戦したいものである。

但、妻と二人でカナダ旅行した際、バンク-バ-でサ-モン釣りツア-に出掛け、シルバ-サ-モンを一匹釣った事はある。これが今までの生涯でただ一匹のサ-モンである。

カナダはビクトリアパ-ク等々、美しい所が多かったがご他聞にもれず、海は汚れてきているそうで、環境破壊の問題は人種や国や宗教や地域や政策や政治や利益やその他何事にもとらわれずに人類全体で取り組むべき課題である。


話は変わって、KuroN さん、KuroN さんはN社のSan-Jose地区駐在のマネ-ジャ-で、我々とは競合するメ-カ-の方であったが、仕事の関係で知り合い、色々話をして行く内に、最近腰を痛めて趣味であったゴルフが出来なくなり、もっぱら釣りをしており、Half Moon Bay に良く行っているとの事。

 いつか一緒に行きましょうと言う話が出来上がった。始めて一緒に行ったのはHalf Moon Bay で、時間を決めて現地で落合い楽しい一時を過ごしたものである。

二人して良く行ったのは、Stevens Creek Reserver、( 一種の湖) ここは家から15分位で行くことが出来、三月の中頃から五月の中頃にかけて、虹鱒が釣れる。

普通の投げ竿に中通しの重りを付け、ハリスを50から100センチ程取って、8号位の鱒針か山女魚針を付けて、Power Baitと言う一種の練り餌の様な物を直径1センチ程に丸めて取り付け、後はポイントに投げて当たりを待つ。

この間に用意した、良く冷えたビ-ル、Bud WieserやCoors を飲みながら、世間話や仕事の話や釣りの話をする訳である。

ビ-ルの旨いこと、本当に。何でこういう雰囲気で飲むBud WieserやCoors はうまいんだろう。最高だぜ。こうして、湖の辺に椅子等を持ち出しての、ぐうたら釣りが始まった。

虹鱒の当たりは、だいたいに於いて、そう大きいものではなく、竿先が多少揺れるか、緩み加減にしてある糸が動きだす程度で、当たりがあったら、しばらく待って合わせる方が良かった。

大きさは25から30センチ位で、リ-ルを巻いて引き上げて、手網で掬い取って、釣りハンガ-に掛けて水の中に放り込んで終了。但、そう数は釣れなかった。半日やって三匹位釣れれば上等であった。

KuroN さんもすっかりこの釣りが気に入ってしまって、仕事の合間を縫っては良く出掛けたものである。KuroS さん、と三人で楽しんだこともある。

仕事中に、KuroN さんから電話が掛かってくる。

「例の仕事の件で、今日打合せがしたいんですが都合はどうですか?」

「丁度よかった、私も是非と相談したいことがあったんですよ、それでは例のところで二時に合いましょう。」

と言う具合に話がまとまり、現場へ直行。仕掛けは常に車に積んであるので、何時でもOK。

大体、水曜日とか金曜日が多かったと記憶している。釣果は殆どの場合、KuroN さんの方が上で何度か悔しい思いをしたことがある。

又、土曜日は仕事が休みであるが、週一回開かれる日本語学校へ下二人の娘を朝八時半までに、車で15分程離れた、Kennedy Jr.High Schoolと言う学校に送って行かねばならなかった。面倒ではあったが、方向が丁度、釣場の方面であった。

娘たちを送ったついでに、その足で良く釣りに出掛けたものである。

それは素晴らしい、楽しい、清々しい、おおらかな、想い出である。カルガモの親子が水の上を泳ぎ回り、小さな子供達をつれてピクニックを楽しんでいるアメリカ人、メキシコ人、中国人。白いの、黒いの、黄色いのが回りにいる中で過ごした時間、空間はいつまでも忘れないであろう。

人間は、白かろうと、黒かろうと、黄色であろうと、仲良くなれるものである。その媒体に釣りと言うものがあれば、尚更である。

                               〔山男魚〕




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