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2000年01月05日

山男魚 「鶴見川からモントレーへ 4」

95/10/13 16:26

「鶴見川からモントレ-へ」 釣りによって出会った情景と人々 その4

第四章 「渓流の魅力」


 昭和47年(1972年)に、山梨県都留市にある製造子会社に出向となり山梨勤務となる。本格的に釣りが好きになり、熱中し始めたのはこの頃である。都留市に転勤になっって始めに住んだアパ-トの裏に桂川の本流が流れておりここは鮎、鱒、山女魚等の好釣り場。

 又、近くには、菅野川、鹿留川、杓尺流川、玉川、盛里川、朝日川、白石沢、大沢、等々好釣場のあることを、順次、知ることになる。都留市に行った当初は、同じ時期、出向となった、シマッピ-やヒデ君とアパ-トの裏の桂川で、昔、親父に教えてもらった仕掛けで、エサは黒川虫(ゴロタ)を使って、アブラハヤやウグイを釣ったりして遊んだものである。

 玉浮きを使った、流し釣り仕掛け、いたって単純な仕掛けで、比較的流れのゆるやかな場所に、仕掛けを流し、浮きでアタリをとって釣る。気持ち良いぐらいに、浮きが消し込まれ、あわてて合わせるが、なかなか釣れない。

 アブラハヤやウグイは、口が、比較的小さく、一気にエサを飲み込もうとはせず、一度喰わえてから、徐々飲み込んで行き、又、口の中に変な感触があると、吐き出してしまうものと思える。従って、合わせが早いと喰い込みが浅くて針掛かりせず、逆に遅いと、エサを取られてしまうだけで、これまた、針掛かりしない。

 時と場合によって異なるが、一般的にには、浮きがポンポンと二回ばかり沈んで、その後、浮きが、ぐうっ-と、引き込まれたら、合わせるのが良い。そうこうしている内に、合わせのタイミングをつかみ、なんとか釣れる様になる。

 天気が良く、爽やかな日には、妻、長女、まだ赤ちゃんだった次女を乳母車に乗せ、(三女はまだ生まれていなかった)家族全員、ピクニック気分で、竿を担いで出掛けたものである。春もたけなわになると、空は淡く、空気は爽やかで、水の流れは清らかで、周りには、山吹や、富士桜が咲き、それはとても良いものであった。

 アブラハヤとか、ウグイと言う魚は、煮ても、焼いても、あまり旨い魚ではなく、好んで食べることはなかった。ただ、アブラハヤは、料理方法によっては、美味しく食べることができる。

 ある時、会社の仲間と、渓流で、アブラハヤを釣って、釣りたてを、天ぷら或いはフライにして、これを肴にビ-ルでも飲んで騒ごう。「川原で天ぷらパ-ティをやろう!」と悪い相談がまとまった。

 ある休日を選んで、五、六人の仲間が集まり、比較的、きれいな流れの場所を選び、ガスバ-ナ-と天ぷら鍋、油、ビ-ル等々、持ち込んで、パ-ティが始まった。玉浮き仕掛けで、緩い流れに流してやると、すぐにアタリがあって七から十センチぐらいのハヤッコが、次々に釣れる。

 釣ったハヤッコの腹を割いて、内臓を取り除き、ビニ-ル袋にうどん粉と魚を入れ、かき回して、魚にうどん粉をまぶし、熱くなった油の中に、放り込む二、三分で、からり、と揚がる。醤油を少しつけてたべる。その旨いこと。「うめぇ、うめぇ! ビ-ルのつまみとしては最高だ」と感激。

 こう言う雰囲気の中で食べるものは、何でも美味しいものであるが、これは本当に旨かった。大きい魚より、七、八センチの、小さな魚の方が苦みが少なく、旨かった。味はワカサギの唐揚げに似ている。いや、むしろワカサギより旨いかも知れない。いやぁ、とにかく旨かった。

                              〔山男魚〕



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