琥珀さんに盛岡毛鉤を習う

nakano3

2018年06月09日 18:18

PLAさんとの最上の釣りの翌日はゆっくりと北上し、西木村(仙北市)周辺を散策。 琥珀さんから田沢湖畔にクニマス博物館が出来たとの情報を聞いて、行ってみることにした。 折しもこの日は、大曲工業高校の田沢湖一周マラソンのイベント日で、高校生が湖畔を走っていた。 むろん真剣に走っているものも最初は見かけたが、徐々にテキトーな散歩に近い高校生も見受けられるようになった。 私もあの頃はテキトーだったなあと思いだす。

田沢湖畔に「田沢湖クニマス未来館」なる建物が立っており、その手前の駐車場とレストハウスが大曲工業高校のマラソンのスタート&ゴールになっている。 高校生をかき分けて駐車場に車を止める。 クニマス未来館は昨年オープンした。仙北市の新しいプロジェクトと言えるだろう。クニマスも数尾飼育されている。

クニマスは戦時中に酸性水を湖に入れたため絶滅してしまった(と思われていた)。しかし2010年に富士五湖の西湖で発見されたのが田沢湖から移植されたクニマスの子孫だと判明し話題になった。 京都大学の中坊教授がクニマスを発見と認定、2016年には西湖にクニマス展示館がオープン、その翌年2017年に田沢湖畔にクニマス未来館が開館した。 確か報道では発見のきっかけにさかなクンも絡んでいたようなことが書かれていたと記憶している。

夕方、仕事終わりに合わせて琥珀さんの事務所へ到着し、さっそく盛岡毛鉤を習うために近くの安比川へ出かけた。

琥珀さんはいろんな釣りをする人だ。 かつてゼロ釣法が餌釣りで流行っていた頃に「琥珀(零)」という竿があった。 琥珀さんのハンドルネームの由来はその竿らしい。 今回は盛岡毛鉤、仕掛けは琥珀さんが用意してくれていた。結構面倒なつくりをしている仕掛けだ。 毛鉤が数本付いていて、白いウキの下にメイン毛鉤が1本。 これをダウンストリームで扇形に流す。アワせの感覚もわからない間にチビ山女魚が掛かってきた。

なんだか不思議な感覚である。 夕マズメで暗くなってきて毛鉤も見えないのだが、ラインと竿を直線にしてウキ周辺を見ていると魚が飛び出してくる。 しかしなかなか針掛かりしない。

琥珀さんは微妙な誘いを咥えながらきれいに流す。テンカラやフライが点で釣る釣りなのに対して、盛岡毛鉤は面で釣る釣りである。 当然釣果も進むはず。そのうち今度はチビ岩魚が掛かってきた。 だんだん面白くなってくる。

そしてかなり暗くなってきた頃、流心脇でゴツンっと大きなアタリ。 竿をあげると良型の山女魚が釣れていた。 この釣りは大きい魚が掛かった時に手に伝わるアタリが釣り人を興奮させるようだ。 本流の山女魚らしく若干銀化(ギンケ)していた。 盛岡毛鉤初心者としては上出来だろう。 もっともこのあとライントラブルで釣りにならなくなった。 暗いので糸の絡みを修復しようとしても見えないのだ。

地方によってこういう釣りがあることはとても興味深い。 北陸でも同様の釣り方があるが、理にかなっている。 ただ、魚と一対一の勝負という感覚はないので、やはりテンカラやフライの方が趣味の釣りとしては楽しめるようにも感じた。

翌日は兄川本流に案内してもらい、ここで盛岡毛鉤をやってみた。 残念ながら夜半に降った雨のせいで、濁りが入った上に水温が低下し、1尾も毛鉤に来なかった。 天気には勝てない。

近くの沢を見に行ったが釣りになりそうにないので、今回は納竿。 琥珀さんには昨年に続きお世話になってしまい感謝しきりだ。しかし仕事終わりにひと釣りできる環境というのはとても羨ましい。

琥珀さん、またよろしくお願いします。

2018年6月8日~9日釣行

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